四季めぐるの評論日記

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お弁当はおにぎりでよいという提案

皆さんは、お弁当を作るだろうか。職場の人を見ているとほとんどの人はコンビニで買ったパンや弁当を食べている。やはり、毎日お弁当を作るのは難しいのではないか。しかし、コンビニ弁当も毎日食べていれば、食費もバカにならない。そこで、私がおすすめしたいのはお弁当におにぎりを持っていくということだ。

 

 働いていると毎日お弁当を作るのは無理だと思う。まず、朝時間がない。起きて歯を磨いて朝ごはんを食べて、そんなことをしていたらあっという間に出勤時間だ。とてもじゃないけど、弁当を作る暇なんてない。

 

 ならば買えばいいという声もあるのだが、コンビニで買えば500円はかかる。毎日買うとしたら結構な出費だ。そこで私も色々工夫してみたこともある。毎日チャーハンを作るのだ。これは結構続いた。5分もあれば終わる。しかし、それすらも面倒になってきた。朝から火を使うハードルは思った以上に大きかった。

 

 そんな時、ある本が思い浮かんだ。料理研究家土井善晴の著書『一汁一菜でよいという提案』である。内容を一言でいうなら毎日の献立はご飯と具だくさんの味噌汁でよい。余裕があるときにおかずを作ればいいと説いた本だ。これなら料理の時間が5分から10分ほどになる。料理の献立に悩まされる人たちにとって革命的な考え方だ。私はこの本から料理は無理して頑張らなくてもいいことを学んだ。

 

 『一汁一菜でよいという提案』の優れているところは、ご飯と味噌汁とメニューを固定化した上で、味噌汁の具を変えたり余裕がある時はおかずを追加するなどの拡張性があることだ。この考え方を私なりにお弁当にアレンジできないかと考えた。そこで、考えたのがおにぎりでいい。これなら作る時間は1分もかからないし、火も使わない。食費もかからない。具材は色んなものを入れられる。面倒くさがりな私に合っているやり方だ。

私のお弁当作りはこうだ。ラップに塩をまいてご飯を装い、具材をのせ、握る。これで終わりだ。1分もかからないし、何よりラップである為、お弁当箱を洗う手間も省ける。

 

 何よりシンプルでうまい。労働で疲れた体に、ほんのりと塩気のきいたおにぎりを頬張る。なんて至福のひと時なのだろう。人が握ったおにぎりを食べることはヒーリング効果のようなものがあるのではないかと思う。千と千尋の神隠しでも、千尋がハクの握ったおにぎりを頬張って涙を流すというシーンがある。慣れない土地で働いていた千尋にとって、美味しくて思わず泣いてしまうシーンである。それをイメージしていただければ分かりやすいと思う。

おにぎりとは、とても面白い料理だと思う。なぜなら、握った人の手の形が米粒の集合体によって残されるからだ。その時、握った人のその日の体調や想いが身体の緊張や弛緩という形を通しておにぎりの形に記録されるのだ。こんな食べ物ほかにあるだろうか。そして、食べる人はダイレクトに記録されたものを食べる。だからこそ、握り手の想いをダイレクトに受け取れる。だから、千尋はハクの気づかいか込められたおにぎりを食べ、感極まって泣くのだ。おにぎりを握るという行為には不思議な力がある。このヒーリング効果によって私は労働の辛さが少し緩和されている。

 

おにぎり弁当が思いの外続いている。無理して朝早く起きて色々なおかずを作るよりも、シンプルにおにぎりだけ握る方が、私には合っているのではと思う。手間なく美味しいおにぎりは弁当にはピッタリであると思う。

 

四季めぐる