四季めぐるの評論日記

自分の好きなことを書いていきます

「エトランゼ」シリーズ

『海辺のエトランゼ』京屋の間取りの特定に成功しました。

京屋の間取りってどうなっているのだろう。何回目かの映画『海辺のエトランゼ』の鑑賞でふと思いました。映画では京屋という民宿が主な舞台となっています。キャラクターたちが縁側に佇んでいるシーンが、何度かあります。しかし、庭や景色が違っていること…

『春風のエトランゼ』3巻、4巻感想 ~愛やがて変容す~

「大丈夫だよ」その言葉にどれだけ救われただろう。 わたしの「春風のエトランゼ」が好きなところはどんな生き方も肯定するところだ。駿のゲイであるけれど、そんななかでも生きようとしている。そして、駿が好きになった実央も同じだ。周りのひとは、攻撃す…

『春風のエトランゼ』紀伊カンナ 1~2巻感想 ~メランコリーと駿~

メランコリーと小説家は切っても切れない関係にある。そう説いたのは文芸評論家の三浦雅士である。メランコリーすなわち憂鬱のことだ。三浦は著書『メランコリーの水脈』で三島由紀夫や筒井康隆などの作家を例にあげ、いかにその作品に鬱が表れているかを説…

映画『海辺のエトランゼ』は駿の救済ストーリーである。

*この記事は映画『海辺のエトランゼ』のネタバレを含みます。 どうも最近『海辺のエトランゼ』にハマっている。一昨日始めたブログの初めての記事と今回の記事、2回連続でエトランゼのことを書くぐらいには。何故だろう。この作品は駿と実央ふたりのイチャ…

映画『海辺のエトランゼ』における手を握りしめる表現

*この記事には2020年に公開された『海辺のエトランゼ』のネタバレを含みますのでご注意ください。 はじめに アニメ映画『海辺のエトランゼ』を見た。沖縄の離島を舞台に、ゲイで小説家の卵の橋本駿と母親をなくしたばかりの知花実央の二人の青年の恋を描い…